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実は私、今年になってJIAスクールのサブリーダーというものを任されました。
そもそもJIAというのは日本建築家協会のことでして
建築家が集い、その知識と技術を発揮して、豊かな地域、文化、風土、環境の創造・実現に向けて活動をしている公益社団法人なのです。(JIAホームページより)
そのJIA北海道支部に私は所属しています。
そして冒頭に書いたJIAスクールとは支部会員に向けた各種セミナーのことで様々な企画をして学んでいるんですね。
11月に行われたJIAスクールは建築系訴訟セミナーと題して建築紛争などの基礎を弁護士の先生に来ていただき講演していただきました。
今回はサブリーダーを任された私の実行となりました。
とは言っても企画自体はすでに支部長が持っていたものを、ただ私が実行しただけなんですけど
大変勉強になるセミナーでした。
(そしてサブリーダーといってもリーダーと私しかいないんですけどね)
建築系の訴訟問題はいろいろありますが
私は設計の立場なので建築主の要望に沿ったものであるか、とか予算の超過とか、設計料の未払いなどがよくあるのでしょうか。
そのなかでも、スタッフ時代を含めると私も何度か経験のある事例がありまして
それはというと
基本計画がまとまりかけそろそろ設計契約になるだろうかというた時期になると突然、一方的に仕事を断られるのです。
この時はまだ設計契約を締結していませんので、契約違反でもなければ設計料もまだ受け取っていないような状況です。
あれこれ考えてやっと見えてきた基本計画、これから基本設計、実施設計と進む前に断られたことについて何が原因だったのだろうと、考えを巡らせるのです。
結構良い案だったのに。
建築主の反応もまずまず良かったのに。
予算かな? 何か別の原因があったのかな?
でも断られることはもちろんあることなので気持ちを切り替えて次の仕事に進むのです。
そんなある日
断られた案件の敷地付近を通ると何やら見覚えのある建物が。
いや、見覚えのある建物というか私たちが計画していた建築ではないですか。
この部分が少しだけ変わっている とか
いや、そのまんまじゃないですか とか
それはさまざまですが、そもそも同じ敷地でも設計者が違えば出来るものは確実に違うものなんです。
ここまで似てるなんてほぼほぼないんです。
バレないと思ってやっているんでしょうけどバレバレなんですよね。
そしてその基本計画をした私から言わせると
いや、そこはそうじゃないんだよね とかいろいろと思うところがあるものです。
基本計画だけを持って他の設計事務所に行ってもそのままの計画で進めたら見たら分かるものです。
そして、同じ基本計画でも実施設計も人によってクオリティが変わりますので
プロポーションが悪いとかそれこそ、そこはそうじゃないんだよね ってことになるんです。
では逆に、例えば私より腕の良い設計事務所に持って行ったとしたらどうでしょうか。
その場合は確実に、他人のプランで設計するなんてあり得ない でしょうね。
そしてJIAに所属している方々であれば、図面を見てあそこの計画じゃないか、けしからんってことになりますよね。
そしてさらに何度かこのブログでも書いていますが監理業務も人が違えば仕上がりに影響があります。
なので基本計画まで進めたのに設計料をケチってそのプランを他へ持って行ってはいけません。
クオリティは下がるだけです。
メリットなんて何一つありません。
という体験を思い出したセミナーでした。
もちろんその他の事例も大変勉強になるセミナーでした。